2008年05月09日

人はなぜ海を目の前にして石を投げ込みたくなる衝動に駆られるのか。

大洋に臨む浜辺で

ドロミさんは一人水平線の向こうへと思いを馳せる。

肌にまとわりつく潮風は

清々しくもどこか不快な肌触りで

それでもこの目の前に広がる

有象無象のすべてを飲む込むかのような大海原に

心の奥底でくすぶり続ける苛立ちさえをも

かき消してくれるような錯覚さえ覚える


――思えば遠くへ来たもんだ――


家を出たのはいつだっただろうか

そうたしか正午過ぎだった

内陸部に住むドロミさんは

海が見たくて旅立ったんだ


渋滞を避けるように裏道へ裏道へと車を走らせる

ドロミドロ3号、その右のボディには

おそらくスーパーで隣に停めた車のドアがぶつかったのだろう縦一筋の凹みがある

この凹みに気づいてドロミさんも凹んだ

凹みだけに


んなドロミドロ3号を駆り

海へ向かってひた走る

立ちはだかるはアルプス連峰

峠マックスドリフトマスター、テキサスマックはゲッターロボ。

このアルプス連峰を越えるルートはひとつしかない

越えれば海で、引かば家。

意を決して車を進める

はい渋滞。


――渋滞を抜けるのに4時間かかった――


西日が差し込み始めた頃

ドロミさんはまだ走っていた。

海岸線を。

西に向かって。

超まぶしいし、たまらない。

カーナビゲーションシステムが告げる

「目的地周辺に到着しました。音声案内を終了します。」

(やっと着いたか・・・)

しぜんと安堵の吐息がもれ

辺りを見回す。

うん。

なんでだろう、駅前だここ。

期待していた海はなかった。


しょうがないのでコンビニに寄る

地図を立ち読みして最寄の浜辺を探す。

カーナビなんてウンコだウンコ。

ウンコの歌が頭ん中を駆け巡る

(よし!きみに決めたッ!)

歩毛門ゲットだぜよろしく心の中で声マネしてみる。


行き先決まれば善は急げと

鐘がなるなり法隆寺

あ、家具なりタンの名前はここからきてるのか!!!

ふと閃いて興奮もする

もうすぐ日が落ちる。

そんな頃にやっとついた浜辺スポット。

さすがに名所らしくて異常なほどの人ごみ

まさに彼奴らは有象無象

(/突撃・・・してやりたいぜニヤリ)

なにかと信おんに直結してしまう自分の思考に危機感を覚えつつ

眼前に広がる大海原に胸躍らせる

(そうだよそうだよ、これが見たかったんだよね)

普段内陸部で四方を山に囲まれて暮らすドロミさんにとって

この広すぎる空とどこまでも続く海は

ハートにグッと何か来た。

足元の石を拾い

海に向かって放り投げる

ポトッ

届かなかった。

かなりおサブい状況だった。


ついでに肩も痛めたドロミさんは

目を細めて海を見やる。

たそがれを

哀愁を

全面に押し出してその場を取り繕う


(大丈夫・・・ドロミさんは出来る子)


海に励まされるはずが

自分で自分を励ました。


(結局どこへいってもこうなのね・・・さっ、帰ろ)

長い時間をかけて

はるばるやってきたはずなのに

かえって何かを溜め込んでしまった今回の旅の

終わりももうすぐ告げようとしていた。

はい渋滞。


――家に着いたの午前様――


おちまい。
posted by ドロミさん at 13:39| Comment(4) | 日記